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ちゃんと共同親権オンライン

空白の七年間 なぜ娘は殺されなければならなかったのか? 親権問題の狭間で 第6話

2016年、秋田市で児童養護施設から一時帰宅中の9歳の千葉愛実さん(当時小学4年生)が殺害された。殺したのは実の母。元夫で父親の阿部康祐さんは行政の対応に不備があったとして、児童相談所を管轄する県などに約8000万円の損害賠償を求める訴訟を提起した。


家庭裁判所の調停を申し立て、月に1度娘と会う約束で離婚したはずだった。しかし愛実さんは元妻とともに姿を消した。阿部さんに失意の日々が訪れた。

 


部屋から出られない

 


「もう愛実には会えない」私はそう思った。


それでも会いたい気持ちは抑えられず、藁をもつかむ想いであらゆる探偵社へ電話することもあった。

「だいたいそういう場合は身内の人が居場所を知っているんですよね」とも言われたが実際に誰も知らない。明美の祖父が他界した時も、行方不明になっていたため呼ぶこともできなかった。


貪るようにパソコンで調べたが何も答えは出るはずもない。


自分としては手は尽くした。弁護士に相談するという方法もあっただろうが、当時の自分は視野が狭くなっていた。とにかく愛実に会いたかった。心配だった。


様々な想いが交錯し、結果私は引きこもりになっていた。どのくらいの期間引きこもっていたのだろうか。時間の流れる感覚もわからない。


それまでは母親から「また遊びに行くの?」と嫌味っぽく言われることばかりだったが、この時ばかりは流石の母親も「たまに外に出て遊んでくれば?」と言うほどだった。どれくらい長く引きこもっていたかを感じさせる言葉だった。部屋を出るといえばトイレくらいだったのではなかろうか。


もう何も信じることができない。外の世界が怖い。愛実が心配で何も希望が持てない。


その時のことを例えるならば、すべてが「無」だった。

 

 

母の言葉

 

母を含め家族全員には心配をかけていたと思う。だが周りを思いやるような余裕など無かった。まさに私は「廃人」となっていた。時間の感覚も無ければ全ての欲求も全く無い。ただただ苦しいだけだった。

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