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ちゃんと共同親権オンライン

法律はできた。だが子どもは守られているのか――共同親権の実装責任と国家の検証義務|2025年11月19日|衆議院(第219回国会)池下卓議員 令和7年11月19日質疑より


池下卓
池下卓

【この質疑の概要】

  • 本質は一つ。共同親権を「理念」で終わらせず、子どもの利益として実装できるのかが問われた質疑です。

  • 池下卓委員は、DV・虐待への厳格な対応を前提にしつつ、無断連れ去りの不利益評価共同養育計画の重要性といった国会審議の到達点が、基礎自治体の現場で正しく運用されるかを強く問題提起しました。

  • 法務省は、Q&A解説資料の周知や改訂を通じて自治体への理解浸透を図ると答弁しましたが、運用責任の重心が地方に移ることが明確になりました。

  • あわせて、施行後5年見直しに向け、共同親権の選択状況や共同養育計画の作成実態をデータで可視化し、進まない場合は原因分析を行う必要性が示されました。

  • 後半では成年後見制度に議論が移り、専門職後見人の高額報酬、財産処分の不透明さ、家族不在の運用が制度への不信を生んでいる現状が指摘されました。

  • 政府側は、法制審において本人意思の尊重、後見人監督の強化、報酬決定の透明化などを検討中とし、当事者・家族の声を反映した制度改正を進める姿勢を示しました。

要するにこの質疑は、「制度を作った国は、運用と結果にどこまで責任を持つのか」その覚悟を突きつけたものです。

253 池下卓


○池下委員


日本維新の会の池下卓でございます。 一年ぶりの法務委員会で質疑をさせていただきますので、大臣また理事者の皆様、よろしくお願いしたいと思います。


まず、昨年の5月に、民法改正、いわゆる選択的な共同親権について改正がなされました。この点につきまして質問の方を最初にさせていただきたいと思いますが、一番大事なのは、父母が離婚をした際に子供の利益をいかに守っていくのか、こういう観点というのが私は一番重要であるという具合に思っております。


一方で、やはり夫婦間でDVがあった場合、若しくは児童虐待があった場合、こういった場合には単独の親権にもなります。また、夫婦間の協議が調わない場合にも家庭裁判所の判断によるということになるかと思いますけれども、私もこの場で様々議論をさせていただきました。離婚した場合も養育費はしっかりと守られなければなりませんし、子供は別居親にも定期的に面会をしていただいて、愛情豊かに育っていただくということが大事であると思っております。


この共同親権、共同養育の問題といいますのは、当然、別の側面でいいますと、DV、児童虐待、こういったところは別の法律でもしっかりと体制を整えていくということが大事ではないのかなという具合に思っております。


ただ、昨年の審議過程におきまして議論がされた点を幾つか挙げさせていただきますが、DV等がない場合であれば、父母の一方が別居する際に子供を無断で連れていってはならないこと。もし、そういうことがなされると、親権の考慮の際には不利になるよという点があったかと思います。加えて、離婚時には共同養育計画をしっかりと作成するということも重要であるということなどなどが確認されたのではないかと承知をしているところです。


離婚される父母にとりまして、一番身近な相談先といいますのは基礎自治体、いわゆる市町村の窓口というところになるかと思いますけれども、同法の趣旨そして目的、こういうところを実現させていくためには、このような国会の議論等を基礎自治体にもしっかりと理解をしていただいて、そして行政サービスにつなげていくということがこれから非常に大事だと思っています。


法施行が令和8年、来年の4月1日と1年を切る中で、現在、関係省庁連絡会議というものが行われているということは承知をしているところでありますけれども、国会における審議等を基礎自治体に理解していただくために、今後、法務省としてどのような取組や連携というものをしていくのか、三谷副大臣の方にお伺いしたいと思います。

254 三谷英弘


○三谷副大臣


御質問ありがとうございます。


そして、まずもって、池下委員におかれましては、共同親権の導入そして共同養育の推進に向けましてこれまで御尽力いただきましたこと、改めて敬意を表したいと思います。


その上で、お答えをさせていただきます。


先ほど委員が御指摘いただきましたとおり、離婚をされる方々にとって最も身近な相談先というのは自治体の窓口でありまして、自治体における支援の拡充は重要な課題であるというふうに認識をしております。


法務省においては、御指摘の関係府省庁等連絡会議の参加府省庁等に対しまして、この会議において取りまとめたQアンドA形式の解説資料を活用した関係機関等への情報提供を依頼しておりまして、参加府省庁等においてはそのような自治体の関係部署への周知、広報に取り組んでいただいているものというふうに承知をしております。


この解説資料では、例えばではありますが、父母相互の人格尊重、協力義務に違反すると評価され得る場合といたしまして、先ほど御指摘いただきましたとおり、父母双方が親権者である場合において、その一方が何ら理由なく他方に無断で子の居所を変更する場合ですとか、父母の一方が、養育費や親子交流など、子の養育に関する事項についての協議を理由なく一方的に拒否する場合が明記されております。


この解説資料は、これまでの国会における法案審議の過程ですとか、法案成立後における御議論を反映したものとなっておりまして、今後も、必要に応じまして、本委員会を含めて、国会での御議論等を踏まえた改定等の検討を行う予定としております。


いずれにいたしましても、冒頭申し上げたとおり、地方自治体の役割というのがこれまで以上に重要になってまいりますので、池下委員におかれましては、その観点からも引き続き御指導賜りたいとお願い申し上げます。 以上です。

255 池下卓


○池下委員


三谷副大臣も共同養育議連の幹事長職をされているということですから、この点に関しましては非常に思いのある先生だと承知しておりますので、やはり基礎自治体に対する対策というのはしっかりと続けていただきたいという具合に思いますし、私も引き続きウォッチの方をさせていただきたいと思います。


次、前回の法改正では、このように書かれています。政府は、法律の施行後5年を目途として、改正後の各法律の施行状況等を勘案し、父母の離婚後の子供の養育に係る制度及び支援施策の在り方等について検討を加え、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすると定めております。


ということは、離婚後、共同親権がどの程度選択されているのかであったり、共同養育計画というのがスムーズに作成されているといった様々なデータ、当然、DVとかのお話もあるかと思いますけれども、それをきっちりとデータ化していくということが大事であると思います。


逆に、それらが増えていない、進んでいないよということでありますと、なぜ増えていないのか、こういう原因調査ということも必要になってくるかと思いますが、今後どのようにこの問題につきまして取り組まれていくのか、大臣の方に見解をお伺いしたいと思います。

256 平口洋


○平口国務大臣


お答えをいたします。


お尋ねの改正法施行後の共同親権の選択状況につきましては、離婚届の記載により把握することができるわけであります。また、共同養育計画の作成状況につきましては、離婚届に監護の分掌についての取決めの有無を尋ねるチェック欄を加えることにより把握することを検討いたしております。


御指摘の見直しを進めるに当たっては、改正法施行後の状況を適切に把握することが重要であり、要因分析を求める委員の御指摘も踏まえながら、その在り方について検討してまいりたいと考えております。

257 池下卓


○池下委員


今回、大きな改正であったと認識しておりますので、やはりこういった点をしっかりと分析するということが今後の改正に非常に重要になってくると思いますので、よろしくお願いします。


次に、成年後見制度についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、先日、当事者の方、またその家族を含めた団体さんと意見交換をさせていただきました。


特に、法定後見人の報酬についてお伺いをしますが、家裁が後見の事務内容、財産状況、専門性、事件の難易度等を考慮して、総合的に報酬の額について判断するということを承知をしております。ただ、一方、当事者の方々から聞きますと、弁護士、司法書士といった専門職後見人の報酬が高額なんじゃないかという点であったりとか、家族に十分な説明がないまま、財産、例えば家屋敷であったりとか有価証券であったりとしたものを処分されてしまうということを聞かされております。


当然、具体的に言いますと、後見人の方に、後見人のお父さん、お母さんが介護老人ホームのようなところに入れられて、同居している家屋敷を売られて家族が追い出されてしまったりとか、本来であれば配当金が入ってくるような株なんかというものを処分されてしまって預金化されてしまう、こういったケースが聞かれております。こういった事案は、やはりこの制度の信頼そのものを損なうということもありますし、本人の権利保護にも重大な問題になってくるかと思います。


そこで、法務省として、家庭裁判所による後見人監督の在り方や、報酬決定過程の透明性、並びに家族との情報共有の制度的強化について今後どのように進めていくのか、見解をお伺いいたします。

258 松井信憲


○松井政府参考人

お答え申し上げます。


成年後見制度については、現在、法制審議会において、本人の自己決定をより尊重する観点等からその見直しに関する調査審議が行われており、御指摘の、後見人の監督、後見人の報酬なども議論がされているところです。


後見人の監督の在り方については、見直し後においても家庭裁判所が後見人を監督する規律自体は維持する一方で、後見人は、毎年一度、一定の時期に本人の状況を家庭裁判所に報告しなければならないとの仕組みを導入することが議論されております。


後見人の報酬については、後見人の事務の内容が考慮要素であることを明確化することが議論されております。さらに、実務上の運用として、最高裁判所において、全国の認容で終局した報酬付与申立て事件について、報酬付与額の分布を公表することを通じて利用者にとっての予測可能性をできる限り確保することに向けた取組が検討されていると承知をしております。


そして、後見人が本人の意向を尊重してその事務を行うべきことを明確にする観点から、後見人が適切な方法により本人の意向を把握するようにしなければならないとの仕組みを設けることが議論されており、家族が本人の意向を把握している場合には、後見人が家族からその意向に関する情報の提供を受けることもその適切な方法に含まれ得ると考えております。


引き続き、法制審議会において、御指摘の観点も含めて充実した調査審議が行われるよう、事務当局として対応してまいります。

259 池下卓


○池下委員


来年、2026年にはこの後見制度の改正が行われている、今も、現在法制審の方で議論されているという具合に聞いておりますが、成年後見人制度については、先ほど申し上げた報酬のトラブルや、家族が後見になれない等、様々な問題があるという具合にいろいろ当事者の方からも聞いているところであります。


そこで、この制度の見直しに当たりまして、もっと利用者の方々や御家族の声というものをしっかりと聞いていく、それを反映させていくということが大事であると思っております。当然今までも聞いているんですけれども、一度法制審へ来られたということも聞いておるんですけれども、やはりここは丁寧な形で御意見を聴取して、制度改正につなげていくということが大事であるかと思いますけれども、そういう当事者の方々の意見も踏まえて、今後どのような法改正をしていくのかという見解をお伺いしたいと思います。

260 平口洋


○平口国務大臣


御指摘の点も含めて、成年後見制度に関しては、成年後見人の代理人が広過ぎるとの指摘や、必要がなくなっても利用をやめることができないなどの指摘があると承知しております。


法制審議会では、部会の委員として認知症や知的障害の方々のための団体のメンバーが参加され、制度利用者の家族からのヒアリングも行いつつ、制度の見直しが検討されていると承知しております。


引き続き、多様な意見を踏まえ、充実した議論がされることを期待いたしております。

261 池下卓


○池下委員


まさに今、法制審、大臣の諮問機関というところになりますが、そこで議論されていて、そういう御答弁になるのかなということは分かるわけなんですが、やはりこういう当事者のお声を聞いていただいて、制度の信頼性向上のためにちょっと御提案ということなんですが、例えば、家庭裁判所における後見人の報酬決定の基準をより明確なガイドラインという形で示すことであったりとか、定期的な第三者の評価を導入していったり、若しくは後見による財産処分に関する場合に家族にしっかりと情報を、説明義務等の拡充というのをしていくということが大事であるという具合に思っております。


今日は15分しか質問時間がありませんので、この点で終わらせていただきたいと思いますが、是非、今後とも、この問題につきましてはしっかりと議論をさせていただきたいと思いますので、皆様には引き続き対応の方、よろしくお願いいたします。


時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

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