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やっぱり「結婚がヤバい」1「結婚って一生おごり続けるってことでしょ」

更新日:3 日前

本記事は『結婚がヤバい 民法改正と共同親権』(2023年11月発刊)の中から抜粋したものです。不定期で本書の内容を一部抜粋し紹介していきます。


結婚がヤバい
結婚がヤバい

「結婚って一生おごり続けるってことでしょ」


知り合いの女性から息子がそう言っていると聞いたのは10年以上前のことだ。彼女には成人した息子さんがいて、独身なので何気なく彼に結婚のことを聞いたのだと思う。


ぼくは2007年に当時の連れ合いと別れた結果子どもと会えなくなって、そのころ親権についての市民運動を始めていた。


今もそうだけど、離婚して子どもに会えないと聞くと「何かひどいことでもしたんでしょう」と問い返されることが多い。その背景に離婚が親子の別れになる現行民法の不備があると気づいて、共同親権への法改正をアピールしはじめていた。似た問題関心をもつ仲間たちと出会っていて、息子を持つ彼女もその一人だった。


連れ合いと別れるだけでもダメージなのに、子どもと会えなくなるというつらい経験もしていたので、今思い返せば、その息子さんの言葉は「なんて愚かなことをしているんだ」と自分に問い返されているかのようで、強く印象に残ったのだと思う。実際言われてみれば、2年程度の短い結婚生活ながら、「子どものために」という枕詞をつけられて、住む場所や園、園とのかかわり等々、彼女の意見を押し付けられる場面が記憶として強く残る。


今から見ると自分も同様のことを彼女にしていたのだろうと、多少客観的には振り返ることはできる。にしても「だったらあなたが稼いで自分のしたい子育てを実現したらいい」とやはり思う。


その息子さんの言葉は、「そんなことに抵抗すること自体がエネルギーの無駄」と言っているかのようだった。結婚に対するあこがれや期待自体、最初から持っていないかのような発言はどうして出てきたのだろう。ほかの若い人たちや異性はどう考えているのだろう。


これまでぼくは自分が子どもと引き離された経験から、現行民法の親権制度の不合理さや残酷さについて発言してきた。一方でその過程は、こんな制度のもとでおちおち好きな人とセックスして子どもを作ったりできるのか、という疑問を膨らませる過程でもあった。


長らく少子化や晩婚化、結婚率の低下が社会問題として語られてきた。しかし一方で、そういった議論では親権問題という親子間の関係に触れることはあまりない。発生している社会問題の解決を促す立場でも、現行の結婚制度を前提に、結婚しない人がおかしいと、結婚しない人たちを批判してなされる婚活「支援」が政策になっている。そうでなければ、男性中心社会をワンパターンに批判して、生み育てる女性の環境改善の不足を批判することが多い。


でもそれで「結婚って一生おごり続けるってことでしょ」という冒頭の彼の問いに答えられるだろうか。それが本書を書こうと思った動機だ。


その発言をした息子を持った彼女にはほかに孫もいた。「こんな法制度を次世代に残しておきたくない」という思いで、それは成人になろうとする子どものいるぼくも同じ思いだ。事実婚を含めれば3度の結婚を経験したぼくにしても、好きな人とどのように持続的な関係を作れるのか、それは社会制度としての結婚をどうとらえていくのかという面では、繰り返し考える問題だった。


もしかしたらそれは、離婚を経験したり、結婚にもやもやを抱えたりしているぼくと同世代の人だけでなく、これから結婚を考えている若い人にとっては、さらにリアルな現実ではないのだろうか。(つづく)


『結婚がヤバい  民法改正と共同親権』(社会評論社、 ムック  2023/11/27)




宗像充*むなかたみつる

長野県大鹿村在住の秘境作家。共同親権訴訟元原告。多くの市民運動に携わり「共同親権運動」という言葉を作った。民法改正時には在野の「大鹿民法草案」を提言。登山・環境・幻の動物・家族・人権と幅広く執筆。著書に『知識経験ゼロからの市民運動スタートガイド』『共同親権革命 民法改正と養育権侵害訴訟』『結婚がヤバい 民法改正と共同親権』『共同親権』『引き離されたぼくと子どもたち どうしてダメなの?共同親権』他多数。


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